お彼岸中日 天寧寺

天寧寺山門 ・ 境内、本堂

〇角館、アメダスの積雪量は45cm(16時)。お彼岸の中日を迎えました。皆さんはお彼岸をどのようにお過ごしでしょうか。ご先祖をお参りした方も多いかと思います。いろいろな宗教・宗派を信仰する方、無信教の方がおりましょうが、このブログでは「角館のお寺シリーズ」を折々に載せていきます。角館の歴史と文化財の紹介という思いもあります。「自分の菩提寺」を待ってくれれば有難いところです。遠方の方は写真にお手を合わせてもよいかと・・・。

〇初回は曹洞宗、萬松山天寧寺です。室町期の文安4年(1447)蘆名氏11代盛信が奥州会津の萬松山天寧寺を創建し菩提寺としました。高僧である傑堂能勝を招き開山したと言われています。会津の天寧寺は、伊達氏の侵攻により焼失し、当時の遺構は礎石しか残っていませんが、お寺は檀家に継がれており、現在も会津若松市の東側に存立しています。

〇蘆名義勝は織豊期の不安定な時代を経て、本家筋の佐竹氏の秋田転封に随行し、角館城主となって角館を治めることになります。現在の角館は元和6年(1620)城主蘆名義勝によって町割りされた碁盤の目状の町が400年続いた証しとなって続いています。義勝は町割り時に、菩提寺の天寧寺を会津時代の名前をそのままに建立しました。蘆名氏は、三代千鶴丸が夭折しお家断絶、不遇の終焉を迎えます。その後、明暦2年(1656)からは佐竹北家が所預として角館に入り幕末までこの地を治めました。天寧寺は蘆名氏の庇護はなくなりましたが、地元住民に護持され続けてきた歴史あるお寺です。本尊は釈迦牟尼仏です。

〇寛政3年に建て替えられた天寧寺の山門は角館町で最も古い山門建築として、仙北市指定史跡となっています。境内にある蘆名家の墓域も市の指定史跡に指定されています。

※明日は、関東地方ほか太平洋側の天候が心配です。さらに、東電管内の「電力需給逼迫警報」による節電協力要請も出されております。これもさらに憂慮されます。お見舞い申し上げます。新型コロナ感染症、ウクライナ侵攻問題、地震被害等々・・・、落ち着かない情勢が続いています。それでも桜開花の便りが明るさをもたらす3月下旬。前向きな春です。

世津子さん着実に完走! 東京マラソン

〇3月6日、東京マラソン2021が1年遅れで開催されました。テレビ観戦をした人も多かったのではないかと思います。自分は、様々憂慮される状況下、開催を決定した主催の東京マラソン財団、共催の東京都や日本陸連の英断に驚いたところでした。感染対策効果に相当の確信があったものと思います。自分は新コースの景色に、世界トップランナーのキプチョゲやコスゲイの打ち出すタイムに、そして、熱烈なファンの新谷仁美さんの13年ぶりの42kmに、注目し視聴しました。・・・前置き、すみません・・・

〇なんと、なんと、世津子さんが東京を見事に「完走」したとの知らせ。「卓球おぼこ」の時代もまあよく走っていたのを記憶しているし、今も何か走ってる情報はあったし、ずっと続けていて、流石かつ当然の結果かとも思いましたが、素晴らしいことは素晴らしい。めでたい、めでたい。ここは電話だと・・・。

「走り出したのは40代後半からだよ・・・娘のママ友付き合いがきっかけかな・・・大会出たのは『所沢マラソン5km』から・・・それから徐々に距離も伸ばして・・・本格はここ10年くらいのこと・・・」

「東京は何回か申し込んだけど、当選しなくて・・・やっと、去年エントリー成功・・・。出走権はチャリティーへの参加で叶ったんだよ・・・。還暦記念は東京でって思っててね・・・。でも去年は中止。だから還暦越え記念になったけど・・・」

「でも、コロナ蔓延だし、ウクライナも起こって、また延期だべな・・・そしたら、開催だって・・・」

「東京は『平和ボケか~』とも思って、『今走ってもいいのかって』悩んだ・・・。「でも、やるなら、『一つの区切りにするつもり』『次の自分に向かいたい』『そのステップにするぞっ!』『とにかく走り切りたい』って、スタート地点に・・・」

「まあまあのペースで走ったよ・・・トイレ待ち30分とかもあるんだよ・・・そして、ラスト1キロくらいからパワー出てね・・・どんどん追い越せちゃった・・・。タイムは5時間台・・・。」

「ゴール直後かぁ・・・『やった~、超気持ちいい』だな、やっぱり・・・」

「そう、この完走ね・・・マラソンひと区切りもだし、ほかのことにもつながる『わたしの走り』ってことで・・・」

*ご感想は皆さんに委ねつつご紹介とします。世っちゃん「かんじょわりな~」ともありました。

〇42.195km完走7回。おめでとうございます。ランニングを日々地道に積み重ねてきた壮大な意志のしるし、心身の持久力に感服します。何か次への新たな目標、思いがあるようです。自分はとてもマラソンには挑めませんが、こうした生き方をそれぞれに伝え合えればいいなぁと思います。凌雲会で。

〇世津子さんは、特に郷土の民俗学に多大な功績を残した研究者、武藤鉄城氏の孫です。鉄城氏は多方面でも活躍し、その一つに、自身もスポーツ万能であり、特にスキーやラグビーを秋田県に普及させることにも尽力しました。ラグビー王国秋田も、我々が外ノ山(鉄城は大威徳山)などで滑ったのも、鉄城氏のお陰と言っても過言無しです。世津子さんは鉄城お爺様のDNAを見事にたっぷり引き継いでいます。それに顔、目元あたりも似てるかなぁ。

雪・・・

before  after

〇母校・角館中学校の佇まいを昔も今も「小倉の里」と表すことがあります。現在の学校通信(校長執筆・角中HP参照ください)のタイトルは「小倉山通信」です。今日の写真の背景はその小倉山です。小倉の里、おそらくこの冬最後であろう6日の寒波が抜け、一気に春めいてきました。もう太陽光が勝ってくれそうです。が、アメダス表示では本日10時の観測点鵜の崎の積雪はまだぴったり100cmでした。積雪地にお住まいの皆様、まずは、ひと冬の労をお互いに慰め合いましょう。

〇さて、写真です。間違い探しではありませんが、少しの違いが分かるでしょうか?野球場エリアにある部活動用のユニットハウス棟などの雪降ろしに取り組んでみました。バックネット裏本部棟、Uハウス5棟(野球部と女子テニス部使用)、三角屋根の野球部メイン部室(上部だけの降ろし)の屋根7つです。6日と8日の2日間、各2時間弱、都合のついた3人ずつで汗しました。

〇本会会則の目的に「母校への賛助」があります。いろいろな取組が想定されますが、これもその一つかとコロナ禍の積雪量から思ったところでした。今年は356会によく顔を出す皆さんへの急な「どう?」で始めましたが、校長からの「凌雲会の皆様、本当にありがとうございます。感謝です。」につながりました。事故なく終えられたことにも安堵しています。

〇都合をつけてくれた皆さんと、屋根の上で世間話をしながら・・・直ぐ息切れしながら・・・休憩!休憩!・・・のスノダン扱いもなかなかの「潤い」でした。汗後の昼炭酸も爽やかでした。来年度の事業計画で「賛助」の具体を提案いたします。よろしくお願いします。

〇なお、本日は、秋田県公立高等学校の所謂、入試日。一般入試、5教科の学力検査が行われています。角中では県内諸校へ志願した86名が9年間の学びの成果発揮に挑んでいるとのことです。公立前期選抜や私立高校の合格者33名は進路先決定済みとのこと。人生初の入試ハードルですが、校訓「立志」。一人ひとりの堅い志で果報を掴むものと信じます。ハウス上で見る学舎からも「清純」な平常と「協和」な友垣が皆を支えておりました。チーム角中、大丈夫です。

因みに、平成17年度から続く現行の受検要項(H25一部改定)は今年度でひと区切り、来年度からは新制度(受検機会は3回から2回へ。自己推薦系の特色選抜制の導入等)に移行します。お孫さん(お子さんもいた~)などご親族のためにも、関係する方々は新制度情報を得てはなんとだんしか。

「角館のひな人形展」             「角館 雛めぐり」

「ひな人形展」ポスター  と  駅通りS様の展示ウインドウ

〇桃の節句にちなんだ毎年恒例の「角館ひな人形展」(2/6~4/3)が角館樺細工伝承館で開かれています。昨日、数年ぶりに自身二度目の拝観をしてきました。享保雛、古今雛、など古雛と呼ばれる時代の古いおひなさまをはじめ、押絵雛、土人形、木彫人形など角館で伝承されてきた様々な様式と素材のおひなさまが展示されています。小さな町の一つの節句、雛飾りから、多様性と歴史の長さを感じます。いずれもやっぱり風情、情緒がありますね。 (本日から6日まで市管轄の諸施設は休館になってしまいました)

〇押絵は、羽子板などが有名ですが、江戸時代後期に始まり、やがて庶民に伝わった手法は各地で雛人形作りにも活かされてきたようです。角館もその一つで、特に平福百穂が製作に関わって完成度が高まったとの説もあるようです。現在、平成26年発足の「角館押絵伝承会」では、調査・研究・復元・保存等にあたられています。会では「製作講習会」も企画して広く市民への伝承に努められています。雛飾りのほか歌舞伎場面の登場人物など多数の作品が生まれ、その一部は、観光情報センター「駅前蔵」に展示され、お客さんの注目を集めています。(「駅前蔵」の紹介はまた後日・・・)

〇また、町内では仙北市商工会主催「角館 雛めぐり」(2/19~3/6)の開催が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、残念ながら中止となりました。ただ、中止内容はポスター配布・メイン施設での展示・特製品の販売のとり止めですから、雛めぐりへの協力を進めていたお宅や施設では自然なこととしておひなさまが飾られています。歴史を感じさせる長く伝承された雛や現代的な装いや雛道具など色々なおひなさまを観賞することができます。それぞれのご家族で守り続けてきたその家それぞれに様々な彩りがあるようです。また、道行く人に弥生三月・節句の訪れとともに春の芽吹きを伝えてくれています。(右の写真は「駅通り(田町上丁)」S様宅の雛飾り。初展示とのこと。ウインドウ光反射ですみません)